社会地理学においてのハウジング研究

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マイヤーほか(1982)には,因子分析を適用して住民の社会構造や集落構造に関する多数のメルクマールを社会空間の区分を行った研究例も紹介されている。
この社会空間の区分において得られた3つの因子のうち,都市内部における社会的・職業的なステータスの分化を示すと解釈した第1因子は,因子構成において社会的階層・職業集団・居住水準というメルクマールと密接に結びつき,住民の年齢構成に関連する諸作用を示す第2因子は家族のライフサイクル・所得穫得のための行動・住居の建築状の状態により特徴づけられている。
このように因子生態学的手法を用いた社会地理学的アプローチにおいても,社会空間の区分として住居関連の指標が,重要なメルクマールとなっており,しかも摘出されたどちらの因子構成においても負荷量が大きい。
すなわち,ハウジング関連の変数からなる因子構成の抽出は,社会地理学のテーマである社会地区・社会空間の分析にとって,ハウジング関連の要素が貴重な指標であることを示しているのである。また,都市内部の一機能地域である住宅地域は,「家族のライフサイクルとそれに相応して住宅への要求が変わることとの間には密接な相関関係がある」(マイヤーほか;1982)とされ,ライフサイルの各段階はそれぞれに適合した住居のタイプを必要とし,また一方では社会階層によっても住要求が異なることも指摘されている。
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すなわち,社会地理学においてハウジング研究は,社会地区の分析において指標を与えるだけではなく,個々の現象のメカニズムの解析を総合的に捉える視点を与えるものであると解釈できる。

社会地理学の定義素敵な住まいを見つけるために

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森川(1972)はルッペルト・シャファー(RuppertandSchaffer)による定義から,社会地理学を「人間集団および人間社会の基本的生存機能一養育・居住・労働・生計・教育・休養一の空間的組織形態や空間形成過程を研究する科学」と定義し,社会地理学において居住に関する研究,すなわちハウジング研究が重要な位置を占めることを示している。
具体的なハウジングに関する社会地理学的研究では,シャファー(Schaffer;1968b)による都市周辺部の大規模団地における社会階層別のセグリゲーションを明らかにした事例が山本(1981)により紹介されている。また,ヤシュケ(Jaschke;1973)はハンブルク大都市域のラインベック市を事例とした社会空間の区分において,次の11個の建物類型を,職業のメルクマールにより範畷化した6個の階層に対応させたが,これはレックスによる住宅階級に似た区分である。
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ヤシュケは建物類型と職業階層との相関関係を分析した結果,特定の建物類型と職業階層との間にさまざまな形で密接に関連があることが明らかにし,「人口・社会・経済.および集落組織などの典型的な構造メルクマールを組み合わせることによって,ラインベックの町について構造的な空間類型による社会空間の区分を行うことができた」(マイヤーほか;1982)と述べている。

社会地理学的アプローチ

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社会地理学的アプローチに属する一部の研究は,空間をいかに捉えるのか,上記のマルクス主義的アプローチに含まれると考えられるものから記述分析的アプローチに至る伝統的地理学に属するものまで非常に幅広い。これはこれまで整理してきたアプローチが,分析手法や哲学的背景による分類であるのに対して,社会地理学的アプローチの分類の次元が分析対象と分析目的にあるという点で異なるためである。
すなわち,シャファー(Scaffer;1968a)による社会地理学の定義では,「人間集団と人間社会の存在基礎諸機能の空間的組織形態と空間形成プロセスに関する科学」(マイヤーほか;1982,p.19)とされ,またマイヤーほか(1982)は,社会地理学的研究の定義として,ボベック(Bobek;1962)による社会地理学の3つの問題領域(空間的社会構造・「地理学的社会構造」の確定,「地理学的社会システム」の確定,「機能する場」とされる空間構造の把握)をあげている。
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さらにマイヤーほかは,社会地理学の研究領域として基礎機能としての「居住」について,「『居住する』という基礎機能は,集落についての社会地理学的考察の重要な構成部分であり,隣接諸科学のうち例えば都市建設と都市計画・建築学・地域計画・国土計画などが,地理学者にとって重要な意味をもつ」(p、27)としている。
ここに住宅を媒介とした総合研究が要求されているが,この点において住宅というハード面よりも居住というソフト面に重点をおいたハウジング研究が,社会地理学においても重要な位置を占めていることが示されているのである。

都市問題発生メカニズム

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松原(1988)は「マルキストのアプローチは,マルクス主義理論を大局的な観点から都市に適用したというのも多く,資本蓄積と巨大都市形成や都市問題発生メカニズムとの関係をより綴密に検討していくことが必要である」と今後の問題を指摘し,林(1991)は,制度論的アプローチを批判しているマルクス主義的アプローチに対して,「資本主義体制をなくしたら地域格差が解消されるのか,階級間の支配・従属関係は体制のいかんを問わず,不可避かである」と述べている。
しかし一方で,林(1991)は「構造主義的接近方法が提起した中でとくに重要と思われるのは,都市地域を政治的に中立な存在として見るのではなく,資本主義の動態的な運動のもとで絶えず変化しているものとしてとらえる見方である」と評価もしている。
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確かに都市における住宅問題には,マルクス主義的なアプローチにより構造的にその問題の因果関係を捉えることが極めて有効であり,とくに世帯や地域の経済格差が反映されるマクロな住宅の質の問題に対しては,行政の政策からのアプローチや階級論争から説明できる部分も多々あると考えられる。
しかし,都市内部に残留する人々に対して経済的尺度や階級概念で説明できない部分があるように,また,個人的な居住地選好の反映に対しては必ずしも有効なアプローチとはいえない部分もある。

建造環境

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建造環境とは,「さまざまな要素一道路・運河・埠頭や港湾・工場・倉庫・下水・官公庁・学校や病院・住宅・事務所・店舗など-からなる複合的な合成商品であり,その個々の要素は多様な状況のもとで全くさまざまな準則にのっとって生み出される」(ハーヴェイ;1991)。中村(1990)は,ハーヴエイによる建造環境を絶対的余剰価値の追求から相対的余剰価値の追求へと移行したことによる社会的インフラストラクチャーへの投資の拡大とみなし,「建造環境は資本の活動の容器であると同時に都市景観を形成する」と解釈する。
この考え方において住宅問題は,階級闘争が都市過程に与えてきた影響によるものとされ,「住宅の分野で起こった多くのことや,結果として生じた『都市的』なるものの形状は,こうしたさまざまの形態の階級闘争からのみ説明することができる」(ハーヴェイ;1991)とされた。
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この他にマルクス主義的観点からのハウジング研究としては,地代や住宅階層,居住分化,コミュニティ間の葛藤などに関して研究された。特にマルクス主義的なアプローチからのハウジング研究は,福利厚生の観点から住宅機会の不平等の指摘をするにあたっては,極めて刺激的で有効な分野であるといえ,スミス(1985)は「生活の質」という概念により基本的には厚生経済学の枠組みを提示した。この分析枠組みでは,社会的分化あるいは居住分化に対してもさまざまな成果をあげているが,「福祉の空間的不公平を考察するようになった段階で,空間的不公平という次元で解決されるのは,社会的不公平の中のごく一部に過ぎないこと」(竹内;1980)との批判もある。
またこれらの居住分化をすべて階級論争や政治体制と安易に関連付けたり,社会改革や社会改良を強いイデオロギーのもとで主張する点については,議論の多いところであり,竹内(1984)はアメリカの都市問題の説明とマルクスおよびエンゲルスの著作からの都市問題および住宅問題に関する引用において理論的整合性を持っていないと指摘した。またこの他にもジョンストン(1979)などによる同様の批判がある。

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